ギャンブルをやめられない人は「自分は数字が強い」と思い込んでいる人が多いようです。
ある調査によると、
平成27年度中にパチンコをやった人の数は1720万人だったそうです。
ピーク時の1900万人(平成七年)と比べると一割ほど減りましたが、
1人が1年間に使う金額は逆に2割ほど増えて約124万円になったそうです。
日本人の平均年収は460万円(国税庁平成21年度民間給与実態統計調査結果)ですから、
パチンコ好きの方は、その三割近くの金額を注ぎ込んでいることになります。
時間潰しや付き合い、趣味の範囲で、
たまに楽しむ程度ならまったく問題はありませんが、
なかにはパチンコにのめり込みすぎて
返済不可能なほど借金を抱えてしまったり、
子供の面倒や仕事をおろそかにしてしまう人もいます。
このような状態は明らかに「パチンコ依存症」です。
我が国には他にも競馬、競輪、競艇などの公認ギャンプルが存在しますが、
楽しむ程度に留めておくことができず、
パチンコと同様、のめり込みすぎてしまう人が多いようです。
このように、私たちがギャンブルにのめり込みやすい理由は
「部分強化」という心理によるものです。
部分強化を簡単に説明すると、「たまにご褒美や報酬がもらえる状態」。
これに対し、
必ずご褒美や報酬がもらえる状態のことを「全強化」と言います。
毎月の給料と臨時収入を比べると、
たとえ金額が少なくても臨時収入をもらったときの方がうれしく感じますよね。
これは、
給料が全強化なのに対し、臨時収入が部分強化のため。
私たちは、
全強化に対する魅力は忘れがちで、部分強化に熱中しやすい傾向があります。
たとえば、
「家の近所に評判のレストランがある」
と聞いてもあまり魅力を感じませんが、
「少し遠いんだけど、○○県に美味しいお店があるんだ」
と聞くと、無性に行ってみたくなるものです。
これも、
いつでも簡単に得られるものには魅力を感じないという心理によるもの。
前出の臨時収入の話に戻ると、「たまに決まった額をもらえる」と
「たまにもらえるが、金額は決まっていない」ではどちらがうれしいでしょうか。
おそらく後者のはずです。
これは「不定率強化」と呼ばれる状態で、人を最も夢中にさせます。
ギャンブルもビジネスですから、主催者が必ず儲かるようにできています。
つまり、賭け手が最終的に利益をあげるのはまず不可能ということ。
このことは、ほとんどのギャンプラーもわかっているはずです。
にもかかわらずお金を注ぎ込み続けるのは、
「○万円儲かった」ということが忘れられず、
一発逆転(不定率強化)を期待しているためです。
ちなみに、
ギャンブルにのめり込みやすい人には、次のような傾向が見られますので、
我が身を振り返ってみてください。
※数字に強いと思い込んでいる人
統計学や確率論を持ち出して、
「今度は必ず当たる」と考えます。
しかし、たとえサイコロで「四」が五回連続して出たとしても、
次に「四」が出る 確率は六分の一です。
※プライドの高い人
自分がギャンプルに負けたことを認められないため、
勝つまでやり続けてしまいます。
※意志の弱い人
お金も時間もないとわかっていても、やめることができず、
ずるずるのめり込んでいってしまいます。