初対面の人の性格を判断する場合、情報が不足しているため見かけに頼りがちです。
他人は見かけで判断してはいけない
たしかに大切なことではありますが、
心理学的に見ると残念ながら人は見かけで判断してしまうもののようです。
ある調査によると、
2009年に全世界で整形手術を受けた人の数は年間1200万人以上にのぼるそうです。
第一位はアメリカの303万人で、
日本でも年間74万人(世界第六位)が美容整形手術を受けているそうです。
これも「人は見かけ」と考えている人が多いという裏づけと言えるでしよう。
さらに、
心理学者のディオンは次のような実験で
「人は見かけで判断しがちである」ということを証明しています。
彼は243人の女子大生に、ある子供が教室や運動場で行なった
いたずらについてのレポート(顔写真付き)を見せ、
いくつかの問いに答えてもらいました。
レポートには性別(男女)、
魅力度(子どものルックスがかわいいかかわいくないか)、
重大性(いたずらの大小)、
対人性(いたずらが人に向けられたものかどうか)という16種類があり、
それぞれの女子大生には、このうちのひとつが提示されました。
その結果、
砦細ないたずらの場合は魅力度による判定の差異は見られませんでしたが、
重大ないたずらの場合は、かわいくない子供の方が
「より反社会的 性格を持っている」と判定され ました。
また「今後も同様のいたずら をすると思いますか?」という問いに対しても、
かわいくない子供の方が「可能性が高い」とされました。
つまり学生たちは、ルックスのよい子の性格はよく、
ルックスの悪い子の性格は悪いと判断したことになります。
また、アメリカのある刑務所で、
収監者に整形手術を施すという試みが行なわれたことがあります。
まだ中毒に陥っていない麻薬使用者たちの身体に残ったやけどの跡や入れ墨、
ナイフの切り傷などを手術で締麗にしたところ、
しなかった者と比べて麻薬常習者になる率が明らかに減少したそうです。
これは、入れ墨や傷跡が「どうせまた犯罪を繰り返すに決まっている」と
周囲に悪い印象を与え、
その結果、疎外されて再び麻薬に走ってしまったのではないかと推察できます。
出所者の社会復帰が大きな問題となっていますが、
若い頃に勢いで入れてしまった入れ墨や喧嘩で負った傷跡などを
整形手術で締麗にするというのも、ひとつの方法かも知れません。