子供は周りにいる人達の行動を観察しながら成長していきます。良い事も悪いこともすぐ傍にいる人たちの影響を受けて育ちます。
授業中、頻繁に目を思い切り閉じる生徒がいました。
日が痛いのかなと思ったら、そうでもないらしいのです。
不思議な癖の子だな~と思っていたのですが、
ご両親に会って話をしたときに驚きました。
生徒のお父さんが、その生徒と同じしぐさをしていたのです。
ある小学校の先生の体験談ですが、
このように親子でしぐさや言葉づかいが似ることはよくあります。
これは「モデリング」と言って、
子供が親の行動やしぐさを手本 (モデル)にすることによって、
自分の行動に変化が生じる現象です。
子供がとんでもないこしでかすと、
「誰に似たんだか・・・」
と愚痴をこぼす親がいますが、
子供は一番身近にいる人物・・つまり、
あなたを真似た可能性が高いのです。
つまり、子供を正しく導くためには、
まず自分自身を厳しく律することが大切ということです。
ところで、
モデリングの対象になるのは人間だけではありません。
テレビやアニメ、漫画などの主人公も
モデルになることがあります。
心理学者のバンデューラは、
大人がおもちゃの人形を殴ったり、蹴ったり、
暴力的な行動をしているビデオを
幼稚園児に見せた後、
同じおもちゃの人形が置いてある部屋で、
彼らがどのような行動をとるかを観察しました。
その結果、
多くの幼稚園児がビデオと同じように、
おもちゃの人形に対して乱暴な行動をとったのです。
つまり、
子供に暴力的なアニメやテレビゲームを見せていると、
子供も暴力的になる可能性が高いということ。
「テレビゲームをやることによって、
暴力衝動を発散させることができる」
と主張する人もいます。
これは「カタルシス」という考え方です。
スポーツなどで汗を流すとストレスが発散されるのも、
このカタルシスによるものです。
しかし、
自分では善悪の判断をつけるのが難しい小さな子供の場合、
暴力的な場面を見せないに越したことはありませんが、
現代社会においては最も難しいことかもしれませんね。