
マザーコンプレックスの男性が作られる過程とは
自分の服装、就職先や恋人の事、結婚相手の事まで何でも母親に相談する人がいます。
母親に対して過度の愛着や執着心を持つ男性のことをマザーコンプレックス(以下、マザコン)と言います。
ただし、これは通俗的な表現で、精神分析の世界では「母親固着」と言います。
また、マザコンとエディプスコンプレックスは混同されがちですが、マザコンが母親だけに固着する(強い愛着を持つ)のに対し、エディプスコンプレックスは母親に愛着を持つと同時に、父親に敵意を抱くという点で異なります。
男性がマザコンになる原因のひとつに、父親の不在があります。
あるデータによると、日本の子供が父親と過ごす時間は平均3.32時間 (1日あたり) となっています。
これは、アメリカの4.88時間やイギリスの4.75時間と比べて三割以上短い時間です。
これに対し、母親と過ごす時間は7.44時間と、父親の二倍以上となっています。
しかも、父親の不在は奥さんの不満も募らせるため、子供の養育にのめり込みがちで、母子の密着度が必要以上に強くなります。
更に輪をかけて父親の悪口を子供にぶつけてしまったり、という幼少期を子供に植え付けてしまうと最悪です。
この結果、青年期を迎えても母親から自立することができなくなり、病的なまでに母親に依存するマザコン男性が出来上がってしまうのです。
しかも、マザコン男性のなかには、母親から自立するように仕向けられると、わざとトラブルを起こして困らせたり、暴力を振るって母親を支配しようとする人もいます。
マザコン男性の傾向と対策とは?
マザコン男性には次のような傾向が見られるため、恋人がただの母親思いの好青年なのか、それともマザコンなのかを判断する参考にしていただければと思います。
マザコン男性に見られる傾向
日常的には礼儀正しくおとなしい
お酒を飲むと約変する優柔不断で、自分の感情をうまくコントロールできない
食べ物の好き嫌いが多い
他人を誉めるのが下手
それでは、もし恋人がマザコンだとわかったら、どう対処すれば良いと思いますか?
その答えについて心理学的視点から申し上げますと、とても残酷なことを言わなくてはなりません。
それは、マザコンが幼少期の人格形成に関係してくる事を考えますと、治すことを考えるのはとても難しいと言わざるを得ないからです。
つまりマザコン男性と恋をしてしまった場合には、「それを受け入れる」が正解と言えるのです。
マザコン男性と出会ってしまった場合、たとえ結婚をしてからも、母親と連絡を絶つことはありませんし、時として妻である自分よりも母親を優先する事もあるでしょう。
ですから、どうしてもそれを受け入れることができない場合には、彼との別れも選択の1つと言う事になるのです。
マザコンを治すのはまず不可能だからです。
家族想いの良い人として、母親とも仲良く出来るならば、それに越した事は無いのかもしれませんし、その判断はご自分でしていただく以外に仕方ありません。