親子関係や友人関係の修復には弱みを見せたほうが好感を持たれる傾向にあります
些細なことで、親しい友人を傷つけてしまい、関係が気まずくなってしまった。
つい身内だと思って親へ言い過ぎてしまい、親子関係が気まずくなった。
誰もが経験のあることではないかと思います。
そんなとき、出来るだけ早く関係を修復したいと考えるのではないでしょうか?
会社組織においても、些細なことで上司や同僚との関係が悪くなってしまう事はあります。
毎日顔を合わせる相手との関係と言うものは、一刻も早く修復を図りたいところです。
ほとんどの人は相手を助けて関係を修復しようとしますが、
逆に助けを求めることが実は関係修復の近道なのです。
心理学者のジェッカーとランディは次のような実験でこれを証明しました。
複数の被験者にとても愛想の悪いA教授の手伝いをしてもらい、終了後に約束の報酬を支払います。
そして半数の被験者に
「実は研究費が不足しているので、できればそのお金を返してもらえないだろうか」
と頼んだところ、
ほとんどの被験者がお金を返してくれました。
つまり、半数の人は無料奉仕したことになります。
その後、すべての被験者にA教授の印象を聞いたところ、
報酬を返した被験者の方が圧倒的に好意を持っていたことがわかったのです。
これは「A教授のことを嫌いだったら無料奉仕などするはずがない」という気持ちが
「無料奉仕したということは、私はA教授が好きなんだ」にすり替わったために起きたことです。
この実験では、「研究費が不足している」という「弱み」を見せた事で、
被験者はA教授を「助ける」という心理行動をしました。
ところが、
この行動により自身の気持ちが心理的な作用により、好意へすり替わってしまったのです。
関係を修復したい友人ならば、
今までは言えなかった自分のマイナス面や、実は悪かったと思っている正直な気持ちを伝えることで、相手に助けを求めてみてはいかがでしょうか?
親子の場合、親子であるがゆえに反発してしまう事なんて、誰もが経験済みです。
それは自分が子であるならば、親からしても同じことなのです。
少しでも早く関係を修復したいと願うならば、弱みを見せることで、相手の気持ちも動くかもしれません。
但し、気をつけなくてはいけないのは、いつも弱みを見せすぎると、
それはただの自分に対する「甘え」であり、逆に自分に対する信頼を失うことになりかねません。
だから、本当に相手との関係修復をしたいと願うときだけ、このような行為は役に立つかもしれません。
その時には、少し心を開いて「弱み」を見せて、相手に助けを求めてみる、
そんな方法がある事を知っておいてください。