メール文から性格を大別することは心理学的に可能です
ロングセラーを記録するアメリカのTVドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』。
FBIの行動分析課の面々が、異常犯罪者達をプロファイリングして、犯罪心理を読み解きながら事件を解決へ導くというストーリーですが、この中でも犯人が残したメール文や筆跡から、性格や職業、行動パターンまで探り出すというストーリーが見られます。
実際、メール文でそこまでの詳細な心理分析をする事は、実はまだ困難というのが実情です。
しかし、精神医学者の泰井俊三氏は、一文の平均文字数を数えることによって、書き手の性格を大別できると言います。
文字数から大別できる傾向
日本語で文章を書いた場合、一文の平均文字数は30~40文字だそうです。
泰井氏によると、これに比べて極端に短い一文(20文字前後)でメールや手紙の文面を構成する人は「分裂気質」で、次のような性格傾向があると言います。
分裂気質の傾向
・世の中で起きていることにあまり関心を向けず、友人も少ない。
・孤独でいることを苦痛に思わない性格。
・鋭い観察力を持っていて、理論整然とした意見を述べる。
・このため、周りから敬遠されたり恐れられることがある。
それに対し、極端に長い一文 (80文字前後)を好む人は「循環気質」で、次のような性格傾向があると言います。
循環気質の傾向
・親切で温かみのある性格の持ち主。
・仕事が早く決断力もあるため、社会で成功をおさめやすいタイプ。
・熟慮せずに決断して失敗することも多い。
「循環気質」の方はもう少し慎重になった方が良さそうですね。
使う単語からも大別できるその人の傾向
メール文の中で、どのような単語を好んで使うかからも大別する事が出来ます。
「分裂気質」の人は、名詞と形容詞が多い文章を書きます。
このとき使う形容詞は「静か」「おとなしい」など静的なもので、動詞は少なめの文章になります。
つまり、文章中であまり動きを表現しません。
また男性でもメールに絵文字や顔文字を使って感情を表す人がいますが、それらは相手が理解してくれるとはかぎりません。
つまり、絵文字で感情を伝えようとする人は比較的自己中心的な性格と言えます。
更に、ケータイ小説やブログ書籍を執筆する人の特徴としては「内気・生真面目・空想的」なのだそうです。
LINEを筆頭とするチャットアプリの登場
ところが、最近では、これらの心理学的視点からの分析についても、大きな変化が見られるようになってきました。
それは、リアルタイム性の高いメールアプリが登場し(チャット)、より日常会話に近いメールが出来るようになった為です。
その代表格ともいえる、日本人にとって身近となったツール、近隣諸国においても普及している「LINE」です。
これらチャットツールの普及により、若者を中心に会話の仕方も変化してきました。
「こんにちは」
「今日は妹が遊びに」
「来た」
「今」
「いっしょ」
の様な、一文とは言えないメールをする若者が増えてきた事で、これに連動するかのように、しっかりとした一文を伝えないやり取りがチャットでは急増しているのです。
もっとも、リアルタイムに文書で会話するのがチャットですから、仕方ないのかもしれませんが。
インターネットで検索をすると、これらの文章から性格診断をしているサイトを多く見かけますが、現時点の心理学において、ここから性格を分析する事はとても難しいと言わざるをえません。
なぜならば、チャットは会話の延長にあるものとして考えたときに、どこまでが一文なのか判断できないからです。
相手の性格分析をしたければ相手に文章を書いてもらう
もし心理学の視点で文章から相手の性格の傾向を知りたいのならば、手紙あるいはメールで一度やり取りをしてみてください。
そうすると、一文という概念が生じるため、上記大別された傾向については知ることができます。
メール文の文字数からの心理分析は、残念ながらチャットでは判断しにくいという結論になりますが、文章の内容についての傾向は、男と女の会話においての、受け止め方の違いについて記事にしています。
是非、併せてお読みください。