受け入れがたい感情があると、人はそれを自分の心の中から排除しようとします。
「お前、○○と浮気してるだろう?」
「何言ってるの? してるわけないでしょー」
「嘘つくな、絶対にしてる」
「してないってばー」
皆さんも、一度くらいは恋人やパートナーと
こんな喧嘩をしたことがあるのではないでしょうか。
でも、たしかな証拠があっての追及でしたか?
もし、
「カン」とか「雰囲気」だけで追及していたとすると、
「誰かと浮気したい」と思っているのはあなたの方かも知れません。
私たちの心には、受け入れがたい欲望や感情があると、
それを自分の中から排除して、
他人のものと見なそうとする働きがあります。
これを「投射 (投影)」と言います。
つまり、
なんの証拠もなくヤキモチを焼く人は、
自分に浮気願望があると自白しているようなもの。
ヤキモチが強い人ほど、浮気願望が強いと言えます。
もしかしたら実際に浮気しているかも知れないので、
厳しく問い詰められたら、逆に疑った方がいいかも知れません。
これと同様に、なんの根拠もなく
「○○さんは私のことを信頼していない」と思い込む人は、
自分が○○さんのことを信頼していないことが考えられます。
もし、特定の誰かにこのような印象を持っていたら、
まずは「自分が○○さんのことを信頼していない」
という気持ちを持っていることを
しっかりと受け止めたうえで、
自分の方から○○さんのことを尊敬したり好きになるような
努力をしてみてはいかがでしょうか。
すると「信頼されていない」という印象も消えていくはずです。
また、他人の視線を恐ろしいと感じて
家に閉じこもってしまう人がいますが、
この原因も本人が周囲の世界に対して強い敵対心や、
攻撃性を持っていることが考えられます。
ちなみに、
投射は心理的な安定を保つために用いられる「防衛規制」のひとつで、
誰の心の中にもある働きです。