社会に出て就職をして、これから大きな夢を抱いていた人もいるのではないでしょうか。
でも、会社という組織の中で、部下は上司を選ぶことが出来ませんよね。
嫌いな人と会わなくてはならない時に有効な会話とは。
「今度の上司、どうも好きになれないんだよ」
「お得意様なんだけどさ、あの人とはウマが合わない」
こんな悩みを持っているビジネスパーソンは多いはずです。
でも突っ込んで「あの人のどこが嫌いなの?」と改めて聞いてみると、1つ2つは言うことが出来ても、中々うまく説明できない時ってありませんか?
そのうち、あまりしつこく聞かれていたり、「なんだ、たったそれだけの事で?」とか言われようものなら、さすがに頭にくる時もありますよね。
「とにかく生理的に受けつけないんだ!」というのが自分の中にある結論だったりします。
このとき頭に来てしまうのは、「嫌いな人のことはあまり考えたくない」という心理によるもので、嫌いな理由が説明できないのも同じ理由によるものです。
「生理的に受けつけない」という言葉で誰かを否定する場合には、次の2つの心理が隠されているようですのでご紹介しましょう。
自分自身と共通する嫌なところを持っている
たとえば、あなたが「自分は金銭欲が強く、金に汚い」と内心わかっていながら、それを認めずに日常生活を送っていたとしましょう。
上司やお得意様が守銭奴だということがわかると、自分では認めたくない欠点やコンプレックスを見せつけられたような気がして、相手の存在を不倫快に感じるようになります。
これは、いわゆる近親憎悪に似た気持ちです。
自分の中に潜んでいる嫌な部分を露骨に見せつけられてしまう事から、他の人からすれば大した理由ではくとも、心理的に受け付けない、見たくないという、いわゆる「生理的に好きじゃない」という状況になってしまうのです。
自分が絶対にかなわないものを持っている
これは解りやすく例えるならば、学歴や特別な才能、あるいはとんでもない財産を持っている等、相手が自分にない長所を持っている場合です。
このような相手に対しは、憧れの感情を抱くこともありますが、それが強い嫌悪や嫉妬に変わることは珍しくありません。
「可愛さ余って憎さ100倍」なんて言葉を聞いたことはありませんか?
「愛憎」なんていう言葉もありますよね。
このような心理と少し似ています。
もっとも、人の好き嫌いがあるという事自体は仕方のないことですし、誰でも同じように好きでいることなんて、人間が感情を持っている以上は無理なことなのです。
とは言え、仕事が関わってくるとそうも言っていられませんから、ある程度は嫌いな人であっても、好きになる努力、そこまでいかなくとも嫌いにならない努力はする必要があるのではないでしょうか。
嫌いという感情に支配されたままで付き合っていくことほど、モチベーションを下げることは無いですよね。
類似性の要因とは?
そこで、そんな時の為に利用したいのが「類似性の要因」という心理です。
類似性の要因とは、態度や意見、趣味などが似た相手には好意を持ちやすいという心理の事です。
さて、ここであなたの現状、周りにいる人間関係について思い返してみてください。
親しい友人やウマが合うと感じる人とは、趣味や環境が共通していることが多いはずです。
嫌いな人との共通点を探すのは、あまり楽しい作業ではないかも知れません。
しかし、それでも我慢してあれこれじっくりと、冷静になって考えてみてください。
すると、意外なほど相手のことを詳しく知っていることに驚くはずです。
警戒仮説という心理を知って自分磨きをすることが大切
これは「警戒仮説」という心理で、嫌いな人と接していると不快な感情を引き起こす可能性が高いため、それを未然に防ごうと無意識のうちに嫌いな人の性格や特徴を詳しく分析しているのです。
生理的に合わないとは、自分の中にある嫌な部分に対する嫌悪感、あるいは、自分に無い叶わないものへの嫉妬心、そう置き換えることが出来そうです。
つまり、自分をどのように磨いていくか、人間的な成長を遂げていく事で、このような人間の数は、おのずと減っていくのだと、自分に言い聞かせてみてくださいね。
そしてそんな人との会話に有効と言えそうなのは、「食事」に関する話題などです。
どんな料理が好きとか嫌いとか、好きなお酒、レストランや居酒屋の話題等、「食」についての話題はすそ野も広く、会話が成り立ちやすいのです。
そうしてより多くの会話を重ねていく中で、何か好感を持てる共通点が見つかったり、あるいは会話を通して、今までは見えなかった、相手の意外性等も見えてくるかもしれません。
どうせ付き合っていくならば、やはり少しでも「楽しい」という感情を持って付き合いたいものですよね。