既婚者の婚姻前の住居について、厚生労働省の調べによると、60%以上が同じ市内に住んでいたそうです。
恋人が地方都市に転勤することになったら、
皆さんは次のどちらを選ぶでしょうか?
1. 恋人について行く
2. 週末だけ会いに行く
その恋人のことを心から愛しており、
ゆくゆくは結婚したいと考えているなら、
万難を排して「1」を選ぶべきです。
「愛があれば距離なんか関係ないはず」と考え、
「2」を選んだ方も多いと思いますが、
心理学的に見ると遠距離恋愛を長続きさせるのは困難です。
アメリカで5000組の夫婦の出会いなどを調査したところ、
33%のカップルが5ブロック以内の距離に住んでいたそうです。
そして、交際中に何らかの事情で片方が引越し、
住んでいた場所が遠く離れたカップルほど、
別れる率が高いことがわかりました。
このように、
恋人同士の距離が遠くなればなるほど
恋愛が失敗しやすくなることを「ボサードの法則」と言います。
遠距離恋愛がうまくいかない理由は
「社会的交換理論」で説明することができます。
これは、
「人は最小の心理的コストで
最大の心理的報酬を得ようとするような
人間関係を求める」という理論です。
遠距離恋愛の場合、心理的コストは交通費や移動時間、
そして疲労度など。
それに対し、心理的報酬は恋人の愛情です。
このように遠距離恋愛は心理的コストが大きいため、
ただでさえプラスが少ないのに、
些細なな喧嘩や行き違いなどが起きると
心理的コストを大きな負担に感じるようになります。
こんなとき、身近にいる素敵な異性に
「付き合ってください」と言われたら決定的です。
無意識のうちに、
より大きな利益(心理的報酬ー心理的コスト)が
得られる方に心が移ってしまいます。
心理学者のホーマンズも、
「人はコストに見合った報酬を期待し、
この期待が裏切られたときに怒りを覚える」
と指摘しています。
恋人同士の場合は、いきなり怒りを覚えることはないでしょうが、
気持ちが冷めてしまうことは避けられないはずです。
とはいうものの、家庭や仕事の都合で、
恋人について行けないという人もいるはずです。
こんなときはどうすればいいのでしょうか?
大切なのは、足繁く通うこと。
心理的コストは高くつきますが、
人には繰り返し目に触れる人のことを好きになる心理がありますから、
それを利用するしかありません。
そして、
会えないときにはメールやインターネットを介したテレビ電話を利用して
関係を密に保つこと。
連絡の切れ目が縁の切れ目にならないように。