子供の性格形成に大きく影響するのは母親との関係
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子供は母親とスキンシップを取りながら、情緒安定した性格を作り上げていきます。

前回の記事では、
母親との過度な密着がマザコン男を作ることを紹介しました。

だからと言って子供に関心を向けなさすぎるのも、それはまた大きな問題です。

 

ウイスコンシン大学霊長類研究所所長のハローは、それを次のような実験で証明しました。

彼は、生まれて間もない二匹の小猿を母親から引き離し、一匹は針金で作った代理母、もう一匹は柔らかい布で作った代理母のもとで育てました。

すると布製の代理母のもとで育った子猿は代理母によくなつき、驚いたり不安になると代理母に抱きつくしぐさを見せました。

しかし、針金で作った代理母に育てられた小猿は、代理母にまったくなつかず、しかも成長後に激しい攻撃行動を見せ、猿の集団に溶け込むことができませんでした。

つまり、
母親とのスキンシップは想像以上に子供の性格形成に重要だということを、この実験では証明しています。

 

それは、スキンシップが不足したまま成長した人の中にアフェクションレスキャラクターという性格傾向が見られることでも明らかです。

成長後に示す歪んだ性格の事で一見、愛想がよくて打ち解けやすくみられるが、心から他人に愛情を示す事がなく、嘘や盗癖残忍な性格等の特徴を秘めている。
その、要因として、母親不在であったり父親不在であったりが原因で、心理的不在の場合でも、しつけがなってなかったり、知的発達にも影響が出るとされている

 

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愛情の賭け違いには十分気をつけましょう

このアフェクションレスキャラクターとは、John Bowlby (1907 - 1990)という精神分析者が唱えた言葉ですが、これは、一見愛想がよくて礼儀正しいが、猜疑心や嫉妬心が強く、心から他人に愛情を示すことがない、平気で嘘をついたり物を盗むといった性格傾向になる人達のことを言い、これらの傾向は全て幼少期の親から受ける愛情に起因する事を唱えています。

 

そしてボウルビーは、このアフェクションレスと精神病者とは明確な区分けをしており、幼少期の母親の愛情、父親の愛情を感じなかった子供が成長していくことで、このような精神病者的な人格形成がされてしまいがちである事を警告しています。

 

愛情を掛け違えて、甘やかし過ぎるとマザコンを作り出しますが、適度なスキンシップをしなければ、仮面人間のような感情の薄い子供を作り出してしまうという事の裏付けになりますね。

 

愛情の掛け違いに気がついたならば時間をかけてゆっくりとケアを

 

昔から「愛情の掛け違い」という言葉は言われますが、この「愛情の掛け違い」は甘やかすことでも放置する事でもない、本物の愛情とは何か?親の愛とは何か?という本質的な愛の形を突き詰めていくことに繋がってくるのではないでしょうか?

 

一般的に母親のほうが子供と触れ合う時間が長いことから、母親に限定した言い方になりましたが、子供の人格形成は、もっとも身近にいる親次第と言えるのではないでしょうか。

 

「私はそんな風に育てた覚えはない!」
「きっとあなたに似たんでしょ!」

 

いいえ、それは違います。

あなた達がそのように育てたんです。

 

もしこの記事を読んで、自分の子供、旦那、妻、家族などで思い当たることがあるならば、一度精神科のカウンセリングを受けてみるのも良いかもしれません。

幼少期に起因する事ならば、時間は掛かりますが、その人はあなたの無償の愛により、何かを感じていく事が出来るかもしれません。

 

この記事に対する個人的な話(2018年9月8日追記)

私はこのサイト管理人の中の1人です。

このアフェクションレスキャラクターについて、私にはお恥ずかしながら経験があります。

私の離婚をキッカケに娘と2人暮らしをしてきたのですが、私はただ一生懸命に働きながら娘を育ててきたつもりでした。

私の前では良い子でしたので、その娘の変化に私は気がつきませんでした。

そしてとても独占欲が強く、私が他の子を可愛がると、それをとても嫌がりました。

あるとき、私が他の子を抱きしめた後、うちの娘がその子を階段から突き落としたのです。

その残忍な行為に私は驚いて、そのときは娘を叱りました。

でも、その後学校の先生に呼ばれて、私の知らない娘の一面を知る事になりました。

私はその事件や先生から聞いた娘の一面をきっかけにして、書籍を読んだり、育児教育の先生へ相談したりして、娘との接し方を変えていきました。

娘と一緒に心理カウンセリングへも通いました。

それから私は娘とぶつかり、向き合いながらも、仕事よりも娘を優先して生きてきました。

 

甘やかすことではなく、叱ることでもなく、娘の話を聞くときは真剣に聞くこと、そしてどれほど叱っていても、私はお前を愛しているのだという事を伝えること、そうやって試行錯誤しながらもう10年以上が経ちました。

 

今私の娘は20歳を過ぎ、当時では考えられないほど、よく話し私を大事にしてくれる自慢の娘になっています。

当時は本当に娘を抱えて生きていくことが精一杯で、娘に対する愛情を掛け違えていたのだと、今ならば解る気がします。

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